Q 職場でパワハラを受けています。
A パワハラは深刻な問題ですね。今、職場でのパワハラが原因で、辞めざるを得なくされたり、うつ病を発症するケースが多発しているようです。
一つは同僚、上司から個人的なパワハラを受けている場合です。
2022年4月から改正労働施策総合推進法(いわゆる「パワハラ防止法」)が中小企業にも適用され、これによりパワハラの防止が企業の義務となりました。ですので、職場の中で解決できそうなパワハラ案件の場合、会社の相談窓口に相談するのも一つの手段です。しかし、会社外に相談窓口を設け、配置換えや異動先がたくさんあるような大企業ならこれも有効ですが、中小企業では、相談を受ける人も会社に雇われている人ですから企業内解決は実際のところ難しいのが現状のようです。
各都道府県に設置されている「総合労働相談コーナー」に相談することもできます。「個別労働紛争解決制度」と言うのがあり、「労働局長による助言・指導」「紛争調整委員会による斡旋(あっせん)」を受けられます。何れにしても一度関西合同労働組合にご相談ください。相談無料です。解決のための一番良い方法をアドバイスできると思います。
今一つは、経営者または会社ぐるみであなたを辞めさせようとしているような場合です。
かなり緊急を要することが多いです。この場合組合に加入して会社に団体交渉を求めるのが最も良い方法です。労働組合からの団体交渉申し入れを会社が拒否することは法律で禁じられています。労働問題の解決を経験してきた関西合同労働組合の相談員と一緒に直接会社と話し合い解決しましょう。
パワハラ問題、実際の解決例
①技術職・A職場の例
内容が、<28年間まじめに働いてきた技術者が、業務成績不良で解雇通告>という相当無茶ぶりな内容の案件であった。業務成績不良の普通解雇は初めての経験。
判例によると、
1.客観的合理的な基準によるべきこと
2.解雇理由該当事実が解雇をもって臨まねばならないほどに、質的量的に重大であること
3.改善指導し、努力反省の機会を与えたのに改善がなされなかったどうか
4.指導による改善可能性が見込めないかどうか
5.職場規律に重大な影響を与えたり業務遂行に重大な支障を与えたかどうか
6.会社側に落ち度がなかったかどうか
7.別な違法な解雇事由が存在しないこと
(ブルームバークエルピー事件・東京高裁H25・4・24、昭和電線電纜事件・横浜地裁川崎支部H16・5・28等)
等の判断基準がほぼあるようだ。
組合としては、解雇撤回・職場復帰を最後まで追及したが、裁判・争議になると生活や家族問題等でかなり難しいということで、最後は和解となった。
親会社の工場構内へ入っての下請け作業が「偽装請負」状態であったことや、長時間労働とサービス残業と36協定上限違反の問題を、親会社の責任追及も絡ませながら粘り強く団体交渉を行った。何よりも、当該本人が、成績不良などあるはずがないということを精一杯立証する、報告書や証拠をもとに、団交を攻勢的に進めることができた。4回の団体交渉、12回の本人との会議、会社はサービス残業等については、謝罪してきたし全額支払ってきた。しかし、解雇撤回までには至らず、和解(円満退職)解決となった。本人が納得のいく解決だった。
当該は、会社に非常に貢献しており、会社は上記7つの指標をクリアしていない。どうも当該の働いていた部門のリストラであろうと推測できるのだが、立証は難しかった。闘いは本人の価値観・人生観を大きく変えたようだ。
②事務職・B職場の例
C職場で2023年7月から1年余り職場で執拗なパワハラを受けていたDさんは、組合に加入し5回にわたる粘り強い団体交渉の結果、パワハラをおこなった上司に直筆の謝罪文を書かせ、Dさんは3月から復職するところまでこぎつけてきました。
パワハラをしてきた上司は、Dさんに対してだけ差別的に、わずかなミスに対しても1時間以上大声で叱責したり、始末書を書かせ、仕事を教えないなどの差別的パワハラをしてきたのです。出勤しても上司から常に監視され、いつ叱責されるかという不安とストレスで下痢症状を発症し、眠れなくなり、一睡もしないで出勤する日もたびたびありました。
この先どうしていいのかわからないという絶望感でいっぱいだったDさんは、知り合いの紹介で関西合同労組に加入しました。会社の言いなりになり、泣き寝入りだと思っていたDさんは、「それはパワハラです」「闘いましょう」と言ってくれた組合の言葉に一筋の光が見えたようだったと振りかえっています。
Dさんは、「この私が闘うの?大丈夫?そんな事を避けてきた私でしたが、5回の団体交渉をおこない、ついにパワハラをしてきた上司を異動させ、直筆での謝罪文を書かせ、ついに復職するところまで到達しました」と組合の旗びらきで語りました。
「私は復職できて本当によかったと心から思います。組合に入って思うことは、パワハラを受けて苦しんでいる人、泣き寝入りしている人が沢山いると思います。ですので、こういう組合がほんとうに必要だと思います。私のように苦しんでいる人たちを少しでもたくさん助けていきたい、そう思うのです。私たちは『旗振り』と言っていましたが、実力行使の威力が会社と上司を追い詰めていったと確信しています。パワハラのない、働きやすい職場をみんなでつくっていきたいと思います」
Dさんはいきなりフル稼働するのではなく、精神科の主治医の了解の下、自分の適応障害という病状と向き合い、午前中出勤したら午後と翌日は休むという形で慎重に3か月かけてフル稼働できるようにもっていく復職計画を立てています。Dさんをあたたかく迎える職場環境こそDさんを癒してくれる最大のものです。こういう共同性にふまえた信頼関係を一歩一歩つくりだしていく希望をもってDさんは今、復職しようとしています。